ペイント一番「作業日記」
サイディングのコーキング目地の2面接着と3面接着の違い
コーキングの2面接着と3面接着の違いについて
当社で外壁塗装工事時に最も多い、窯業系サイディングボードのボード間に施工されているコーキング(シーリング)の改修についてです。
コーキング(シーリング)はサイディング外壁の水密性や防水性、気密性を確保する目的で施工する大変重要な施工工程になります。
2面接着と3面接着の違いは文字通り、コーキング(シーリング)材が2面接着で施工されているか、3面接着で施工されているかの違いです。
木造で建築された戸建住宅のような、動きのあるサイディング目地のコーキング(シーリング)改修は必ず2面接着で施工する必要があります。
下の写真は窯業系サイディングボードの構造写真です。
下の図1のように目地底にボンドブレーカーやバックアップ材を入れてコーキングを施工した場合、左右のサイディング外壁とコーキング材が接着する2面接着になり、図2のようにボンドブレーカーやバックアップ材を入れないで施工した場合左右のサイディング外壁と目地底にコーキング材が接着する3面接着の施工になります。
まず図1の2面接着で施工されていれば、左右どちらかのサイディングの伸縮や建物の揺れ、捻じれなどの歪が起きた場合でもコーキング(シーリング)材は建物に対して自由に追随して破断や剥離が起きにくくなります。なので、木造建築のサイディング外壁の場合2面接着での施工が基本になります。
3面接着の場合、例えば下の図のように右のサイディングボードが伸縮し、縮んだり歪が起きた場合、目地底に接着したコーキング(シーリング)に引っ張られ、破断する可能性が非常に高くなります。
以上の事から窯業系サイディングボードの目地は2面接着で改修するのが基本になりますが、当然新築時には2面接着で施工されています。では、改修時どの様な所で気を付けるかを実際のコーキング(シーリング)改修で説明していきます。
コーキング(シーリング)改修工事
下の写真は施工前のサイディング外壁です。西日がまともに当たり、経年劣化したコーキング(シーリング)が欠落し内部のボンドブレーカーまで剥がれている状態です。
この様な場合、コーキング(シーリング)材を充填する前に、下の写真のようにボンドブレーカーを貼り付けてから、仕上がりが
3面接着にならないようにして、次の工程に移ります。
下の写真は目地にカッターを入れてコーキング(シーリング)材を撤去している写真です。古いコーキング材は出来るだけ撤去します。
下の写真は古いコーキング(シーリング)材を撤去した写真になりますが、ごくまれに古いコーキング材に張り付いたボンドブレーカーも剥離する場合があります。
この様な場合もコーキング充填前にボンドブレーカーを貼り付けて3面接着にならないように、次の工程に移ります。
養生しプライマー塗布後にコーキングを充填します。
最後に養生を捲り、コーキング(シーリング)工事完成になります。
コーキング(シーリング)工事について詳しくは下のリンク先を是非ご参考にしてください。
サイディングにコーキング(シーリング)工事の注意点やメンテナンス方法の解説