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ペイント一番「作業日記」

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2021年10月07日

コーキングの先打ち工法と後打ち工法の違いについて

サイディングの外壁塗装をする場合、目地やサッシ廻り、入り隅、軒天井の取り合いのなどのコーキングの改修は必須の工程になりますが、その場合塗装よりも先にコーキング工事をするか、塗装後にコーキング工事をする2パターンの施工工程があります。どちらも耐久性や仕上がりの美観性などのメリット・デメリットがあります。

コーキングとは

コーキングとは、サイディングボード間や開口部の周りにできた隙間に充填する、パテや合成樹脂などをコーキングまたはシーリングといいます。(ここではコーキングもシーリングも同義語としてコーキングに統一して書いて行きます。)
コーキングは気密性や水密性を目的として、建物の動きに追随するように施工された柔軟性のある材料で、経年劣化で剥離や欠落、断裂で、雨漏りなどのトラブルを引き起こす場合があるほど大事な施工箇所になります。
下の写真は当社でよく使用するコーキング材とプライマーです。

コーキング
コーキングプライマー

コーキングの先打ち工法とは

外壁の塗装をする前に、コーキングを施工する工法のことです。
この場合後に塗装する為、後に塗装した塗膜が、コーキングを紫外線や風雨から守ってくれます。
下の写真は先打ち工法でコーキングを施工している写真です。

オートンサイディングシーラント充填
オートンサイディングシーラント充填

コーキングの後打ち工法とは

外壁の塗装後最後にコーキングを施工する工法のことです。
この場合、塗装後の施工になる為、コーキング表面は紫外線や風雨に暴露された状態になります。
下の写真はサイディング外壁に、クリヤー塗料を塗装後に後打ち工法でコーキングを施工している写真です。

コーキング後打ち
コーキング後打ち

先打ち工法のメリット

コーキングの先打ち工法のメリットは、何といってもコーキングの表面が塗膜により、太陽光の紫外線や風雨から守られることです。先にも書いたようにコーキングの経年劣化による破断や欠落、剥離などは雨漏りなどのトラブルにつながる為、出来るだけ耐候性のある材料を使用したほうがいいのですが、先打ちした場合、上塗り塗料の耐候性もコーキングの寿命に加味することで、建物の気密性や水密性が増すことにつながります。
下の写真はコーキングの先打ち工法で施工したサイディング外壁です。ボードの目地や開口部のサッシ廻りなどのコーキングはすべて塗装されて塗装色で仕上がっています。
コーキング先打ち仕上げ

先打ち工法のデメリット

コーキング材と上に塗装した塗膜の柔軟性が違うため、コーキングより硬い塗膜が建物の動きに追随できなくて表面がヒビ割れる事があります。見た目の美観性もあり、出来れば施工時に上塗り塗料の近似色で、コーキングを施工するなどの工夫が必要です。
下の写真はコーキング施工後役8年が経過した、サイディング外壁のコーキング部分です。全てこのように塗膜にヒビが入るというわけではありませんが、ヒビが入ると中のコーキングが暴露します。
コーキング割れ

コーキングの養生期間について

先打ち工法などに関係ないのですが、コーキング施工後に、短い養生期間(乾燥期間)で上塗り塗装をすると、下の写真のように塗膜にヒビが入ることがあります。コーキングの乾燥は種類や季節、気温や湿度など、細かく言えば1液型か2液型などで大幅に変わってきます。塗装店によっては早く工程を進めるために、あまり養生期間を開けずに次の工程に進める場合があるようですが、上塗り塗料の塗膜の剥離や、ひび割れなどのトラブルが起きないようにきっちりと養生期間は開けてから次の工程に移ることが必要です。下の写真は見ていただくとよくわかると思いますが、塗料の艶褪が起きていません。このことからわかる通り、塗装後まだ2~3年程度しかたっていなくて、塗膜にひび割れが起こってます。

コーキング割れ
コーキング割れ

後打ち工法メリット

後打ち工法のメリットは何といっても塗装後にコーキング施工する為に、表面の塗膜のひび割れの心配がないことです。
又、通常塗料メーカーは塗装後にコーキング工事をする後打ち工法を推奨しています。
下の写真はコーキングの後打ち工法でクリヤー塗装工事した写真です。塗装後にコーキング工事しているので、サイディング目地の色に合わせてコーキングの色を施工できます。
コーキング後打ち仕上げ

後打ち工法デメリット

後打ち工法のデメリットは、施工されたコーキングはすべて太陽光の紫外線や風雨にさらされているので、コーキングの耐用年数以上は望めません。
又、塗装後の施工になる為、古いコーキングの撤去時や新しく施工するコーキング材で外壁を汚さないように施工する為、余分に時間がかかり、その分施工費用も上がります。
近年のサイディング外壁は、工場で塗装されたサイディングボードを現場で施工している為、現場では塗装はしないコーキングのみ施工のになります。ここで言う、いわゆるコーキングの「後打ち工法」の施工になります。改修工事で後打ち工法で施工した場合、10年~15年で再度このような状態になる可能性があります。

サイディングのコーキング(シール)工事前
コーキング欠落
コーキング剥離
コーキング破断

下の写真は近年数は少ないのですが、無塗装板のサイディングボードを現場で組み立ててから、コーキング工事を施工し、上から塗装をしたタイプの建物です。ここで言ういわゆるコーキングの「先打ち工法」で施工したサイディング外壁です。
築年数がどちらの建物も15年位になりますが、コーキングが塗料で守られている為、まだ弾力性も残り生きていました。一軒は塗膜にヒビが入っていますが、中のコーキングは弾力性もありこちらも生きています。このようにコーキングが塗膜で守られているかいないかで、10年後は全く違ってきます。

コーキング15年後
コーキング15年後

まとめ

サイディング外壁の改修時のコーキング工事は、建物の美観性や水密性など大変大事な施工になります。通常塗料メーカーさんは後打ち工法を推奨していますが、それはほとんどが施工後にひび割れなどが起きた場合のトラブルに対応しかねるという理由です。
先打ち工法か後打ち工法で施工するかはそれぞれメリット、デメリットがあるので、ご自分の建物を守っていくのはどの工法がベストなのか、施工店とよく相談の上決めるのがいいと思われます。

施工後7年の建物

下の動画は当社で塗り替え塗装した、施工後7年が経過した建物です。コーキングは先打ち工法で施工し、上塗り塗料には日本ペイントのシリコン樹脂塗料を塗装しています。
汚れなどは見受けられますが、弾力性も十分に残っていて、まったく問題はありませんでした。

コーキング施工動画

下の写真は当社で実際に施工したコーキングの施工動画になります。
ぜひご参考にしてください。

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