屋根の高圧洗浄で飛散防止や下地調整-失敗しない屋根塗装入門

ここでは失敗しない屋根塗装入門の高圧洗浄工事編を書いて行きたいと思います。
多くの方はご自宅の塗装工事は多い方で2～3度目、ほとんどの方が初めて塗装工事をされる方が、当社のホームページにご訪問頂いていると思います。そんな方でも分りやすく、又、簡単にご理解できるように、写真や動画を使って出来るだけ詳しく説明していきたいと思います。
ここでは、高圧洗浄機の種類や洗浄機の圧力、施工の仕方などは省いています。塗装の仕上がりや塗膜剥離につながるような事を重点に書いています。
実は、屋根の高圧洗浄工事は、塗装工事の工程の中で最も重要な工程になります。多くの皆さんが屋根の洗浄って埃をチョット洗い流すくらいか、本当に洗浄が必要なのか？洗浄の工程を省けば工事金額を少しでも安く抑える事が出来るんじゃないか？などとお考えの方もいらっしゃると思います。
そんな方は、下の写真をぜひご覧ください。高圧洗浄不足で塗装後早期に塗膜剥離を起こした屋根です。

下の写真はモニエル瓦屋根の、早期の塗膜剥離した屋根です。

モニエル瓦の塗膜剥離については、下の動画もぜひご参考にしてください。

経年劣化したカラーベストの場合、基材表面が脆弱な砂地状になり、コケやカビ、旧塗膜で一面覆われているような状態になります。この脆弱な旧塗膜などの上から塗装した場合、上の写真にあるような早期の塗膜剥離を引き起こしてしまいます。
屋根の高圧洗浄の工程は、この一面覆われているコケやカビなどを丁寧に洗い流し、この後塗装する塗料が、屋根材に密着しやすくする目的でする工程です。
下の写真は、築年数が20年になるカラーベスト屋根の洗浄前、洗浄中、洗浄後の写真になります。この屋根で約5時間位かけて洗浄しています。
屋根の洗浄は長時間かかる、極めて簡単な単純作業なので、逆に辛い面があり、施主様からも見えない屋根の作業なので、手抜きしようと思えば出来る工程ですが、ここを疎かにすると、いくら最高級の塗料を塗装したとしても、早期に台無しになる可能性が極めて高くなります。

カラーベスト屋根の高圧洗浄については、下の動画もぜひご参考にしてください。

下の写真は、他の塗装屋さんでの塗装後1月が経過したモニエル瓦屋根の塗装です。塗装完了後、不信感を抱いた施主様が当社に問い合わせがあり、見させていただいたモニエル瓦屋根になります。
非常に残念ですが、ほとんど屋根の洗浄が施工されていないような状態でした。ひどいのは、割れた瓦がそのままの状態で塗装が完了されていたことです。
モニエル瓦の表面は、スラリー層といわれる脆弱な着色顔料で覆われ、その上にクリヤー塗装されているコンクリート瓦の事で、経年劣化でクリヤーが無くなると、スラリー層がむき出しになります。このスラリー層が厄介で、手で少しこすっただけで、粉上にコンクリート基材から剥がれ落ちます。この脆弱なスラリー層をカラーベストの洗浄以上に、丁寧に時間をかけて洗浄しないと早期の塗膜剥離の原因になります。
下の写真は、ほとんど洗浄されずに塗装されてしまったモニエル瓦屋根です。コケやカビが残ったまま塗装されているのでその跡がそのまま出ています。

モニエル瓦の脆弱なスラリー層については、下の動画をぜひご参考にしてください。
手で擦っただけで、粉上に剥離していきます。

下の写真はモニエル瓦の洗浄前、洗浄後の写真になります。
経年劣化でクリヤーがほぼ無くなっていたので、元の色が分らなくなるくらいに屋根が真っ白になっています。

下の動画は上の写真の実際の現場の作業動画です。

次は手洗いでの屋根の洗浄です。
基本的には、屋根の洗浄は、高圧洗浄機を使って洗浄するのがベストなんですが、高圧洗浄機を使うことが出来ない現場の場合は、手洗いで洗浄します。高圧洗浄機と手洗いの違いは、カラーベストの凹んだ部分は少し洗い漏れが出る可能性があるのと、洗浄機を使った場合よりも4倍以上手間がかかります。下の写真は手洗いで洗浄した写真ですが、この程度の屋根の場合、洗浄機を使うと一人で半日もあれば終わりますが、今回手洗いで、二人で丸一日かけて洗いました。
今まで手洗いした現場は、商店街や事情があり、水しぶきや屋根のコケなど廻りに絶対に飛ばすことが出来ない現場の場合です。