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モルタル外壁とは-浮き、クラック、剥離、チョーキングなど

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モルタル外壁とは

モルタル外壁とは、セメント・砂・水を混ぜ合わせて作る外壁で、モルタルだけでは防水性や強度に劣るので、様々な工法(スタッコ、吹付タイルなど)で、塗装を施した外壁の総称です。

(これに、砂利を混ぜて作られるのが、コンクリートになります。)

以前は、このモルタル外壁の建物が主流でしたが、近年施工の効率性や、品質管理、経年劣化によるメンテナンスのしやすさなどの理由で、サイディングボード外壁の建物が圧倒的なシェアを占めています。

モルタル外壁は、意匠性に優れているが、すべての作業が現場作業になるので、職人の熟練度でムラが起きやすく、一方サイディング外壁の場合、キッチリと品質管理された工場で生産されたサイディングボードを現場で組み立てていくので、工期などもモルタル外壁に比べると圧倒的に短くて済みます。

クラックとは

クラックとは、ひび割れの事で大きく分けると「ヘアークラック」「構造クラック」の2種類に分けられます。ヘアークラックとは文字通り、髪の毛の太さのように大変細いクラックの事をいい、主に0.3mm未満のクラックを言います。

それに対して、構造クラックは0.3mm以上で深さもある為、放って置くと建物内部の柱の腐食や白アリの招く恐れのあるクラックの事です。

ヘアークラックの写真です。

ヘアークラックの写真です。

構造クラックの写真です。

構造クラックの写真です。

ヘアークラックの補修方法

ヘアークラックは、主に幅が0.3mm未満のクラックで、モルタル外壁の完成後の乾燥収縮や、建物の振動で起こると思われますが、ほぼ建物に影響を与える事の無いようなクラックです。

こちらの写真はヘアークラックにコーキング(シーリング)材を擦った写真です。

補修方法は、コーキング(シーリング)材やコニシボンドのKモルタルを擦るか、下塗りに下地調整剤(日本ペイントのパーフェクトフィラーやSK化研の弾性プレミアムフィラーなど)を使用すれば、問題なく処理できます。

ヘアークラックの補修方法

構造クラックの補修方法

ヘアークラックに比べ、構造クラックは幅が0.3mm以上で深さもあり、建物内部に漏水・柱の腐食や白アリの招く恐れのあるリスクの高いクラックの事を言います。

このような構造クラックを補修する方法で一般的なのがUカット(Vカット)工法です。ディスクサンダーを使って、現況のひび割れ幅を広げて、中にコーキングを打ち、表面をKモルタルで仕上げる工法です。

コーキング(シーリング)材を擦るような、簡易な方法で済ませると、後々大変な事態になる恐れがあるので施工前に専門業者とよく相談の上、工事に入って下さい。

構造クラックからの、長年の漏水により、建物内部の柱などが腐食してしまった写真です。

構造クラックからの、長年の漏水により、建物内部の柱などが腐食してしまった写真です。

構造クラックを、ディスクサンダーでUカットしている写真です。

構造クラックを、ディスクサンダーでUカットしている写真です。

塗膜剥離、モルタル浮きの補修方法

モルタル外壁の現況の塗膜の浮きは、様々な原因がありますが、基本的な補修の仕方は塗膜の浮いた個所を、皮すきなどを使って密着している所まで除去します。除去した箇所は、塗膜が無くなった分の段差が出来るので、左官でしごいて段差をなくします。最後に模様合わせの吹付をして、塗装で仕上げます。

モルタル自体の浮きも、浮いたモルタルを全て撤去し左官からやり直します。古いラス網が錆びる事で膨張し、モルタルが浮くこともあるので、そのような場合はラス網や防水紙からやり直さないといけない場合があります。そのような事態になる前に、定期的なメンテナンスが必要となります。

浮いた塗膜を剥離している所です。

モルタル浮いた塗膜を剥離している所です

浮いた塗膜を撤去後、左官でしごいている写真です。

屋上の柵と笠木の写真

モルタル外壁の旧塗膜浮きを補修している動画です。

モルタル外壁の旧塗膜浮きを補修している動画です。

こちらの動画もご参考にして下さい。

モルタルが完全に浮いてしまっている写真です。

このよう状態になると、浮いたモルタルを完全に落としてしまわないといけません。

屋上の柵と笠木の写真

モルタル外壁の藻やカビ

モルタル外壁の藻やカビは、外壁の防水性能の低下で、常に湿気を含んだ状態になる事で発生する場合があります。チョーキング現象などの症状と複合的に考慮し、築年数が10年を超えて、このような症状が出てきた場合、そろそろ塗り替えの時期に差し掛かっている判断の1つになります。

モルタル外壁に、コケや藻が付着した写真です。

モルタル外壁に、コケや藻が付着した写真です。

チョーキング現象

チョーキング現象を起こしているモルタル外壁の写真です。

チョーキング現象とは、風雨や特に太陽光の紫外線などで、塗装面の塗料に含まれる顔料が劣化し粉状になり、手で触ると手にべったりと塗料の粉が付く状態である事。

チョーキング現象が出ると、塗装面の防水性が低下しているサインなので、そろそろ外壁の塗装時期に差し掛かっている一つの目安になります。

チョーキング現象

モルタル外壁リシン仕上げ・スタッコ仕上げ

モルタル外壁リシン仕上げ

モルタルリシン外壁とは、粉状に砕いた石や砂に、樹脂・セメント・着色顔料などを混ぜ合わせ、吹付塗装で仕上げた外壁の事です。

リシン外壁の特徴は、マット(艶が無い)で高級感のある仕上がりになり、透湿性に優れているが、耐久年数はそれほど長くなく、6年~8年位だと言われています。

透湿性とは、建物内部に溜まっている湿気が、外壁を通って外部に出ていく性能の事で、塗り替え時、同じ透湿性を謳っていても、艶のある塗料よりも、艶のない塗料の方が透湿性が高いので、艶のない塗料をお勧いたします。また、リシン外壁は、クラックを起こしやすい外壁です。塗り替え時にはぜひ、クラックに強くなる工法を選ぶと良いと思います。

モルタル外壁リシン仕上げ

スタッコ仕上げ

モルタルスタッコ外壁とは、セメントと骨材などを混ぜ合わせたものを吹き付けで仕上げた外壁の事です。カットローラーでヘッドを押さえた物や、吹きっぱなしで仕上げた模様があります。

耐久性は約10年位で、リシンと同じく透湿性に優れていることから、塗り替え時には、艶消しの材料を選ぶのが賢明だと思われます。

モルタル外壁リシン仕上げ

スタッコ仕上げ塗装で用意した塗料の量です。

スタッコ外壁は凹凸が激しく、塗料が良く外壁によく浸み込むので窯業のサイディングボードなどの外壁材に比べると、3倍前後の材料が必要となります。

実際に塗装した際に用意した塗料の量です。

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