ペイント一番「作業日記」
大阪市住吉区で雨漏りしたALC外壁のクラック(ひび割れ)をUカットシール充填工法で補修‐ペイント一番
大阪市住吉区で雨漏りしたALC外壁のクラック(ひび割れ)をUカットシール充填工法で補修施工事例
ALC外壁はサイディングやモルタル外壁と違い、透湿性防水シートのような2次防水が無いため、微細なひび割れやシーリング部の剥離や破断で簡単に雨漏りに繋がる場合があります。
Uカットシール充填工法
Uカットシール充填工法とは、外壁に入った微細なクラック(ひび割れ)にディスクサンダーなどで切り込みを入れる事で、クラックの幅や深さを広がり、柔軟性のあるシーリング材をタップリと充填することで、施工後に建物の振動や捻じれなどに追随でき、同じ場所にクラックの発生を防ぐ事が出来ます。
ここではALC外壁の、Uカットシール充填工法の工程を詳しく解説しています
実際にこの現場で施工した、Uカットシール充填工法の動画です
雨漏りしているALC外壁
この写真は、雨漏り散水調査で外壁に水を散水した所、10分も掛けない内にクラックやシーリングの劣化部から、これだけ雨染みが出た所と、サーモグラフィーカメラで撮影した写真です。
工場なので、内側がALC剥き出しの為、水が染み出ているのがすぐに分かりましたが、通常住居の場合、構造用合板やクロスなどがある為、ALCに染み込む程度では、気づかない事も多いと思われます。


Uカットした時としなかったときの違い
この絵は、Uカットシール充填工法で施工した場合と、クラックに簡単なシーリングを、なすった場合の断面図です。
左は、クラックに沿ってサンダーで切り込みを入れた分幅が広がり又、深さが出来た分、柔軟性のあるシーリング材を厚みを付けて充填出来ている為、今後同じ場所にクラックが入ることはほぼ無いと思われます。
又、右はクラックの幅(1~2mm程度)がほぼ無いため、シーリング材がクラック内部に入らない為、表面に薄くなすった程度しか充填出来ず、厚みは1mm程度も無いため、塗装完成時の外壁は綺麗に仕上がったように見えますが、少しの振動や建物の捻じれなどで簡単に切れる為、ALC外壁防水工事の観点で言うと、全く意味のない工事になります。
Uカット
先ず、クラックに沿ってディスクサンダーで切り込みを入れます。
サンダーの刃の形状でVの字に切り込みが出来る場合は、Vカットと言う場合がありますが、ペイント一番ではよりシーリングの充填量が多くなるU時の刃を使用しています。


プライマー塗布
続いてプライマーの塗布です。
施工面をラスター刷毛などで綺麗に清掃後、ALC素地とシーリングの密着を高める為のプライマーです。
又、切り込み面のALCは吸水性が高く、プライマーが吸い込まれるので、タップリと塗布します。


シーリングの充填
続いてシーリングの充填です。
サンダーで入れた切込みに沿って、柔軟性のあるシーリング材をタップリと充填します。
これで振動などに強くなり、同じ個所にクラックが発生しにくくなります。


左官しごき
続いて樹脂モルタルを左官でしごきます。


研磨
続いて、サンダーの刃をモルタル表面の研磨用の刃に変えて、表面が平滑になるまで研磨します。


模様付け
続いて左官でしごいた樹脂モルタル部にカチオンシーラー塗装後に、微弾性の下地調整材で模様付けし完成になります。
カチオンシーラーはプラス(+)の電荷をもって、一般的にコンクリートやモルタルなどの下地は、マイナス(-)の電荷をもち、通常の付着力と併せて電気的な付着力が発揮され、従来の水性系下塗材よりも付着力が高くなります。


Uカットシール充填工法完成
下の写真は、ALC外壁のUカットシール充填工法の完成写真になります。
この後、アステックペイントの遮熱ラジカル制御型塗料「遮熱シリコンREVO」を塗装します。